ケーブル等によりサウンドの劣化が生じるなら、単純にアンプ側で補正すればいいと考える人もいるかもしれない。だが、この方法にも問題はある。
林 氏「結局、途中で失われてしまったものは、後ではどうすることもできないということなんです。例えばハイが落ちたからアンプのEQで補正するとしても、EQのポイントとは違うところが消えていることもあるので、そこを補正したくてもそれ以外の不要なところまで持ち上がってしまい、ノイズを増幅してしまうことがあるんです。高域全体を持ち上げるので、不自然な硬い音になってしまう。エンハンサーで補正するとしても、位相が変わってしまうので、パッと聴きは良い音になるかもしれないんですけども、長く使っていくと疲れる音であったり、自然な音ではなかったりとか、アンサンブルの中で埋もれてしまう音であったりということもあるんです。後で補正するというのはなかなか難しいと思うんですよね。だから、本来出ているギターのサウンドがアンプまで伝わっていれば、アンプの方での調整もしやすいはずなんです。アンプを設計する場合には、殆どの場合ギターから直接信号を入力して、ダイレクトで音作りをしていると思うんですよ。だから、本来は、それが一番理想的な形だと思うんです。しかし、実際にはエフェクターを使用することが多いわけで、その中で本来の音がどんどん失われてしまうところを、いかにアンプまで良い音を伝えるかということがVITALIZERの開発意図なんです」
それでは、通常のバッファーとVITALIZERのサウンドの違いは具体的にどういったところにあるのだろうか?
林 氏「倍音成分が損なわれず、ふくよかに聞こえて、特に巻き弦の鳴りが違って聞こえるんです。楽器の信号に回路が忠実に反応することで音が立体的になるようなイメージですね。ギタリストの方はバッファーをギターの信号経路に入れたがらない人が多いですが、VITALIZERは逆に入れた方がトータル的に音が良くなるとおっしゃる方が多いですね。実際は、本来あるべきギターのサウンドなんですけど、色んな要素で損なわれてしまっていたものが、VITALIZERによって忠実に伝達されたということなんです」