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第2回

 第2回は、それまでに音楽の現場でミュージシャンと接し、そこに携わる一流の技術者と交流を深めることで、プロに求められる耐久性や機能性ということに関しての意識について聞いてみた。

3:品質についての意識

奥野氏:「色んな事でミュージシャンの方々の影響は受けてますし、勉強させていただいてますけども、やはり私にとって特に鳥山雄司さんからの影響が大きいかもしれないですね。私がブラッドショウのシステムに携わっていた頃、鳥山さんからケーブルの音質やノイズなどの悪影響に対する真剣な意見を受けている技術者の姿を見ていましたし、その中でケーブルの質の良し悪しには色んな理由があるということを強く感じましたね。その後の、ピート・コーニッシュとの出会いも大きいですね。やっぱり彼が作っているものは、世界ツアーでどんな環境でも全ての条件に於いて耐えることのできる品質を持っていて、音質がちゃんと維持できていて、しかもケーブルにも音質に対する主張がある。でもそれが他の音作りの要因を邪魔しない。それを見てケーブルの深さをつくづく感じましたし、すごく参考になりましたよね」

 現場からの様々な声を採り入れて形として行く中で、プロビデンスのケーブルは数々の特色を具体化していったが、その中でも革新的なアイディアの一つとして、Lプラグの独自の特殊角構造が挙げられる。

奥野氏:「これはライヴ・ワイヤーとしてケーブルを開発した当初から導入したものなんですが、製品を開発するにあたって、プラグの設計で一番基本として考えたのは、耐久性と、接点であるジャックとの確実なフィット感だったんです。色んな発想を重ねるうちに、ワウ・ペダルの形状で上から見ると台形のものがポピュラーですが、Lプラグの場合、キャップの長さや角度によって最後まで刺さりきらずにフィットしないということに気がついたんです。そこで、プロビデンスが加工をお願いしているメーカーさんと話している中で“Lプラグの角度を変えてみたらどうかな?”って言ってくれる人がいたんです。そんなことが出来るなんて想像もしてなかったんですけど“それは是非サンプルを作ってみよう”ということになったんです。そしたら見事にワウ・ペダルにフィットするんですよ。逆に台形ではない真四角のシャーシのエフェクターに対してもLプラグを使った時に、直角だとジャックに対して、うまく垂直の方向に力がかけられないので、抜く際にジャックをグッと曲げてしまうような力がかかってしまうんです。それによってジャックの接点のバネが弱ってしまうんですが、ほんの少しプラグの角度が付いているだけでキャップに対する指の噛み方が替わるわけですから、より垂直方向の力がかけやすくて、ジャックだけでなくプラグ自体を痛めないで抜き差しができるんです。それでこのL型プラグの特殊角構造の実用新案を取得したんです」

●プロビデンス独自のLプラグ特殊角構造(実用新案)

4:プロビデンスの今後の展望

 現在主流となっているギターやエフェクター、アンプのスタンダードな規格にマッチしながらも、そこから先に進もうとするプロビデンスの製品開発の広がりと今後の展望について、最後に訊いてみた。

奥野氏:「できるだけ色んな音楽シーンに対応していきたいという考えがありますね。ライヴ・ワイヤーの名前だった時代も含めて14年、ケーブルに関りだしてから20年以上経つんですが、その間に音楽性のトレンドも変わって多様化してますよね。ミュージシャンが求めているものは更に広がっているわけですから、最初の頃の3モデルでは追いつかないわけです。そうなると色んなシーンの音にマッチしたものを開発するという目標がまずひとつあります。ライヴで使うのか、レコーディングで使うのかということに関しても、もちろんプロビデンスのケーブルは、どの場面でも使えますけども、より良いものを提案するために、色んな面で広げようと思ってます。プロビデンスとしての理想を追求するという目標は、実はまだまだ達成されていないと思っているんです。基本はできたのかもしれないですけれども、そもそもプロビデンスの原点として、100年後にちゃんと生きているブランドという目標があるんです。本来、ブランドというものは、単なる商品名が一人歩きするのではなく、信頼できる道具ということが基本としてあって、それがどの時代になっても、ちゃんとその時代に対応した道具として残っているかどうかということで、それが結果としてブランドとして残るということだと思うんです。私たちが生きていても、せいぜいあと数十年ですが、音楽というのは永久になくならないし、それに必要な道具というのは、時代の変化があって多少変わっても、必ずあるでしょう。プロビデンスというブランドは、例えば100年後に、私たちがいなくても、その時代に音楽をやっている人達に“これがあれば安心だ”という道具として残っていたいという想いがあるんです。だから、ケーブルはもちろんスイッチングやエフェクターに関しても、その時代によって音楽シーンが変わるわけですから、それに対してフレキシブルに変わっていくものなので、ゴールはないんですよね。時代に合わせて変化しても、プロビデンスとしての哲学は、常にミュージシャンがストレスがなく演奏に専念できるための裏方としての一流の道具を作るということなんです。哲学は変わっちゃいけないけど、道具としての必要性に関しては、当然、時代の流れにに対応しなきゃいけない。そういうものを日本発のブランドとしてやりたいと考えているんです」






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