PROVIDENCE.JP ENGLISH PAGE
COLUMN

第4回
今回はVITALIZER徹底解説の実践編ということで、現実にどのような形でVITALIZERが使用されるかという事例を挙げ、どんなメリットが生まれるかを解説していこう。更にショップではVITALIZERがどのようなイメージで捉えられ、どんなユーザーに向けて薦められているかを紹介したい。
第7章:具体的な使用例

 まずはVITALIZERが実際にどんな状況で威力を発揮するのか、具体的なケースごとに解説していこう。現在ギタリスト/ベーシストサウンド・システムのセッティングも多様化しているが、どんなシステムに於いてもVITALIZERを有効的に使用することができる。まずは最もシンプルな、エフェクターを使用せず、ギターやベースを直接アンプに接続するというケースについて。近年では少数派という印象もあるかもしれないが、ギター本来の音を重視する音作りの基本であり、原音を活かす考え方であるからこそ、VITALIZEの威力が必要となる。第一回で解説したように、ケーブルの長さを変えると同時に音質も変わってしまうので、スタジオでは5m、ライヴではステージの広さにより7mと10mのケーブルを使い分ける…というやり方では、その都度ごとに音が変わってしまうこととなる。2本のケーブルの間にVITALIZERを接続し、ギターからVITALIZERまでのケーブルはいつも統一し、VITALIZERからアンプまでのケーブルを状況によって使い分ける方法ならば、音質の変化に悩むこともない。

 本来ならばケーブル1本でアンプに接続したいという人でも、ライヴではチューニング・メーターを使用せざるを得ず、間に接続することを嫌ってA/Bボックスで切り替えたりという手法を採っている人も多いかもしれない。だが、これはA/Bボックスからアンプまでのケーブルの長さによって音質は変化し、更にA/Bボックス内部の接点や配線による音質変化も発生する。VITALIZERはチューナー・アウトを装備しており、本体のプリセット・ボリュームをゼロに絞っておけば無音でチューニングを行うこともできるという応用ワザも可能となっている。

 実際にベーシストの小原礼氏がVITALIZERをチューニング時のミュート・ボックス的な使い方としても活用しているそうだ。この最もシンプルなセッティングは、実際にはギタリスト以上にベーシストに大きなメリットがあるだろう。D.I.を介してミキサー卓からレコーダーに直接記録されたライン録音の音を聴く機会も多く、原音を伝達するということに関して神経を使うベーシストにとって、VITALIZERの効力は大きな魅力として実感できるだろう。少数のエフェクターを使用するケースの場合でも、VITALIZERはケーブル直結のケースとほぼ同じメリットを生み、プラスアルファの機能性ももたらしてくれる。VITALIZERのセンド/リターンにエフェクターを接続することでエフェクターに送られる信号が改善されて活き活きとしたサウンドとなり、フット・スイッチの切り替えによってエフェクターの回路を完全にバイパスし、VITALIZERによるピュアな信号をアンプ側に送ることが出来る。

 
 この場合、古いタイプのファズなど、一部のエフェクターではVITALIZERの回路を介したロー・インピーダンスの信号を送るとサウンドが好ましくない方向に変わってしまうこともあるので、注意したい。また、ワウ・ペダルでは、昔ながらのサウンドを狙うという場合、VITALIZERの前に繋いだ音の方がベターということもある。

 VITALIZERのセンド/リターンにエフェクターを接続した場合、チューニング時や曲間に音を絞る目的でボリューム・ペダルを使用するという人もいるだろう。ボリューム・ペダルが演奏表現に欠かすことはできないという人も多いが、可変抵抗のみで構成された一般的なボリューム・ペダルは繋いだ時点で音痩せが生じ、絞っていくに従って更にハイ落ちがひどくなる。VITALIZERはボリューム・ペダルの入力インピーダンスの値に左右されることなく、自分の好きな機種を信号経路の中の望みの位置で接続することが出来る。

 踏み心地や音量のカーブなどが人によって好みの分かれるボリューム・ペダルだが、音痩せの悩みが解消され、セッティングの自由度が高まるメリットは大きいだろう。またボリューム・ペダルのチューナー・アウトにチューニング・メーターを繋いでいる人も多いが、内部でチューニング・メーターの回路が接続された状態となってしまうため、音質劣化が生じ、チューニング・メーターのデジタル回路からのノイズがギターの信号に乗ってしまう。VITALIZERのチューナー・アウトはこの問題を回避するためにも有効活用したい。

 複雑なシステムにVITALIZERを組み込む際はギターに最も近い先頭に繋ぐのがセオリーだ。また、エフェクターのかかり具合は変えたくないが、エフェクターからアンプまでのケーブルの長さによって音質が変化してしまうのを防ぎたいという場合、ギターの信号経路の最終段側に接続するケースもある。

このように、ユーザーごとに自分のシステムにマッチした使い方が可能な自由度の高さがVITALIZERの大きな魅力である。



第8章:(株)池部楽器店 ギターズ ステーション店 店長の鈴木健太郎氏の話

 続いて、客観的な立場からのVITALIZERのイメージに関して、ハイエンドなギター関連機材に関して造詣の深い、(株)池部楽器店 ギターズステーション店 店長の鈴木健太郎氏にお話しをうかがった。

■VITALIZERの印象

鈴木氏「VITALIZERの第一印象は、ずいぶん思い切った製品を出してきたなと思いましたね。言うなれば“音が変わらない"というマニアックなものですよね。“〜らしい音"みたいなイメージがわくものの方が、商品としては売りやすいと思うんですよね。でも、ギタリストが求めてる一番コアな部分を出してきたなという印象でした。ブースターみたいにレベルを上げる製品に対して、VITALIZERはプリセット・ボリュームの機能に関して言えば、音量を下げるという方向性ですからね。ボリューム・ペダルを接続して使用するってところでも、これほど玄人向けに振った製品を出してきた本気さ加減っていうのは、さすがだなっていうのが正直な印象ですよね。どれだけのお客様がそういう部分に対して切実かというのは、ある意味チャレンジに近いところだと思うんですよね。」

■VITALIZERのユーザー像

鈴木氏「最初の頃はVITALIZERに興味を持つお客様は、アーティストさんが使っているのを見て“あれってどういう風に使うんですか?"っていうところから話に出てきたことが多かったですね。“音が変わらないというのはどういうことなの!?"っていう質問に対して機能を説明すると、“これは必要だ"ってボードに組み込んでいくという購入のされ方が多いですね。僕も実際にケーブルの長さを変える実験をやってみたことがあるんです。全く同じケーブルで短いのから長いのまで試してみて、実際どれくらい音質が違うのかな?というのを体感してみたんですけど、顕著に違うんですね。実際にケーブルの長さで音質の差が出るというところや、ボリューム・ペダルを使ったり、複雑なシステムを組む時に、VITALIZERを必要箇所に使ってみると、音質の差がなくなって、良い意味でストレートなサウンドを伝えることが出来るというのを実感したんです。そういう体験を踏まえて、“せっかくシステムを組むのなら、入れてみたらどうですか?"っていうような話はしやすくなりましたね。今の時代としては、VITALIZERのような製品が他にもたくさん出てきてくれたので、お客様が選んでいただけるという点では、すごく良い環境になってるなと思います。VITALIZERのようにすごくナチュラルなサウンドを得るという指向性も考え方の一つですし、厳密にはサウンドの変化や個性があるものを使ってあげることで、それが音やシステム全体の魅力になることもありますから、ケースバイケースだと思うんです。何より、以前はそれが必要で欲しくても、市場に無いと言う選択肢が限られたり、オーダーでもしない限り入手出来無いので、アーティストの方の特権となっていましたが、今はVITALIZERのような製品達が発売されていること自体が良い時代だなと言う驚きもあります。」

■一般的なバッファーとの音の違い

鈴木氏「音質に関しては、正直な話、一番ナチュラルですね。とにかくクセがなくて。でも、実際に使って、このナチュラルさに価値があるということに気付いていただく必要はあるのかなとは思いますね。」

 

●ギターズステーション 鈴木健太郎氏

「今回、新製品で前段にVITALIZERの回路が組み込まれたファイナル・ブースターが発売されましたが、増幅をゼロに設定してオンにした時の音質の変化は圧倒的に少なくてナチュラルですね。僕はフリー・ザ・トーンでカスタム品のペダル・ボードを作っていただいたんですけど、VITALIZER回路を信号経路の何カ所かに入れてもらったんですよね。それまでの体験として、バッファーでは音が硬くなるから出来るだけ音を変えないために入れたくないというイメージがあって、“バッファーの回路を通らないでボードからアンプにケーブルで接続すると、なんとなく直っぽくて良いよね”という感覚があるのですが、VITALIZERに関しては、入っていた方が音が太いんですよね。短いケーブルでギターをアンプに直接繋いだ音って、やっぱり太いですけど、それに近いイメージがあると思うんですよね。良くも悪くもケーブルやエフェクターを繋いで音が変わっていることに耳が慣れてしまっている方もいると思うんですけど、“出来るだけ音が変わらない”ということを選ばれるんであれば、VITALIZERというのは選択肢の一つとしては有力だと思います。」

■エンハンサーとの違いについて

鈴木氏「個人的な見解では、音質を補正する製品を使用するにあたっての肝になる部分って、クリーンでは音質の違いって判りにくいと思うんですよね。加工がされていない音だから、差がわりと判りにくいんです。それを例えばディストーションをかけたり、何か音が変わるものを繋いで、その信号をエンハンスしてみると、そこで顕著にクセが強く出るんですよね。エフェクターをオンにしたときに、気持ちよいハイが出てればいいんですが、そこがサウンドのピークになって歪みの音が変わっちゃったりするものが、けっこうあるんですよね。そういう意味ではVITALIZERはクリーン時と歪ませたりした時の音の質感の変化が一番少ないという印象があります。場合によっては、歪んだ時に音が何かしら変わった方が抜けて聞こえる等ということもあるので、これも好みの部分ではあると思うんですけどね。私の店では様々な機器の組合せがお試しいただけますので、是非ご来店、ご相談をお待ちしております。」

(株)池部楽器店 ギターズステーション店
〒150-0031東京都渋谷区桜丘町1-6岸上ビル B1F
TEL:03-3477-0089



COPYRIGHT © 2009 PACIFIX-LTD. ALL RIGHT RESERVED